石橋秀仁(zerobase)書き散らす

まじめなブログは別にあります→ja.ishibashihideto.net

電子書籍業界はビジョン不足?

電子書籍は「未来っぽい」のに、電子書籍の分野から「2020年の出版文化」を語る人を見かけたことが無い。なんでだろう? 電子書籍そのものを詳しく描いたSF作品も見たことがない。物書きは本好きな人が多くて、これまでも「書物」を題材にした小説がたくさん…

21世紀初頭MercurialistとGitterの宗教戦争が起こった(妄想)

Mercurial の哲学は、 “履歴は永久的で神聖である” ということです。 -- Mercurial 対 Git:なぜ Mercurial を選ぶのか? | Atlassian Japan Mercurialの哲学を「履歴は永久的で神聖である」と訳すと、そのヤバさが伝わらないな。原文は "history is permane…

"Brand", "identify" and "products" の関係

Moleskin製品のリーフレットより: Culture, imagination, memory, travel, personal identity. Moleskine® is a brand that identifies a family of notebooks, diaries, and city guides: flexible and brilliantly simple tools for use both in everyday…

役所に提出する書類のデジタル化プロジェクトを始めます

賞与支払届、算定基礎届、健康保険被保険者資格取得届など、面倒くさいですよね。Excelフォームも結局は入力しにくくて手書きのほうが早かったりする。 「使いにくいから使わない」という状態は、「無い」のと同じ。典型例はe-Tax。 ちゃんと使える、使いや…

「設定次第で何でもできる万能アプリ」がクソアプリである理由と、その向うにあるパラダイム

【これはとてもひねくれた文章なので、「実用的な情報を速やかに収拾したい忙しいビジネス・パーソン」は読まないほうがいい。警告はした】 【役立つ部分をさくっと読みたい方はシンプル版を用意しました】 fladdict氏の『スマホUI考(番外編) 顧客やユーザ…

「既存市場を破壊する破壊的イノベーションは倫理的ではない」のか?

表題のような議論[1]があると知りました。ここで反論を試みます。市場の「破壊」は、決して「悪いこと」などではないのだと主張します。 前提としての「イノベーション」という言葉 そもそも、生態系における進化のアナロジーとして、「イノベーション」とい…

アフォーダンスは暴力的に無意識に作用する

精神分析とギブソン認知心理学(アフォーダンス)について考えている。アフォーダンスに否定形はないのではないだろうか。有刺鉄線のついた金網を見て、「ヤバイ、絶対に乗り越えたりしない」と思う。「乗り越えること」は既にアフォードされている。 無意識…

「低学歴と高学歴の世界の溝」を埋めるために、大学の学費は無償化したほうがいい

私のいる世界 - ひきこもり女子いろいろえっち 低学歴と高学歴の世界の溝 教育機会の平等が、どれほど大事か。 親が大学の学費を負担したくない、などという理由で機会を失うのは不平等だ。 だから、大学の学費まで無償化したほうがよいと思う。 ちゃんと元…

イントラプレナーの時代と破壊的イノベーション

LINEやCocoPPaなど、ウェブ産業においてイントラプレナーの存在感が増しつつあるということなのかもしれない。 サイバーエージェントも組織的な新規事業開発力が目立つ。アントレプレナーの機会が既存組織により攫われているとも言えそう。 イントラプレナー…

日本語リプサム (Lorem Ipsum)

Japanese lorem ipsumの出力 せ嶣 びょジェあㄨッ 榞壃どちゃしゃ 馦榣狧 わ䏩 焧団駤 䰩い苩橯驦 滧ㄦ諧ぜ棌 焣尦饜 氧堩觜雤ヂョ 婃焧団駤榟 鏥椧 稞滧 きょぼ狨䪤楎 氧堩觜雤ヂョ 姚鏥椧グィ㤣 榞壃ど, りゃ涥 䨦かろ槞. 祧ゔをぴゃ馦 覜驧尤谧く 焣尦饜,…

抽象的UI論ぶつぶつ(CUI、CLI、GUI、VUI)

次世代UIパラダイムとして「声」のUI、つまりVUIを探究したい。ぼくはCLIがけっこう好きなので、要するに「キーボードを使わないCLI」という矛盾した要求を満たすものとしてVUIを見ている。(もちろんGUIでもCLI的な体系は作れるのだが) ドメイン特化型VUI …

アンビバレントな高専

『高専はすごいかも知れないが行くのは止めておいたほうがいい - 下林明正のブログ』を読んだ。 ぼくは「行くといい」とも「行かないほうがいい」とも言わない。 高専は国策によるエンジニア育成機関なのであって、「視野狭窄に陥る」のは学校設計上の失敗で…

日本語で書いた後に同じことを英語で書くのは「翻訳」なのか?

サイバー詐欺師と社会的セキュリティ - Memorandum by zerobaseを英訳中。 とは言うものの「英訳」という言葉が、しっくりこない。 日本語で書いた文章と同じ内容を、もういちど英語で書いてる。逐文訳ではなくて。 こういうのを「翻訳」と呼ぶのには抵抗が…

サイバー詐欺師と社会的セキュリティ

Facebookで詐欺メッセージがきた。遠い親戚が石油掘ってたら事故死して遺産相続がどうのこうの。ベタすぎて笑える。 こういうのをサービス・プロバイダー(この場合Facebook)に転送するだけで真偽を確認して当局による操作・訴追につながれば(※)悪人が法…

茶会人訪問というOB訪問マッチングサイトで遠隔地からのSkype面談依頼を受けました

大学三年生の夏休みは「就活前哨戦」という感じですよねえ。 茶会人訪問というサイト(うちで運営してるのですが)上で「OB訪問依頼」を受けました。今シーズン初めて。 茶会人訪問上の私のプロフィール 「2012年卒」就活シーズンからやっているので、4シー…

Macのフォントパネルは、ちょっと不親切

Windows Storeが「最もオープンなプラットフォーム」としてネイティブアプリよりもPackaged Web Apps(ガワネイティブ)を推していく可能性

MicrosoftがWindows Storeを成功させる道筋として、C#製のネイティブアプリより、HTML+JS製のPackaged Web Apps ^1 (ガワネイティブアプリ)を推していく道筋がありそうです。 (未来予測ではなくて、期待です。物語的に面白い展開への期待) 後発で相対的…

ドメイン駆動設計とUI設計の関係についての現時点の考え

ドメイン駆動設計(DDD)的にはUI設計はどうでもいいかもしれない。 利用者体験(UX)的にはどうでもよくないけど。 「ドメイン駆動設計(DDD)的にはUI設計はどうでもいい」への反論として、「UI設計とユースケースが要件定義でもあるのだから、それによっ…

「人は中身が9割」の時代とは、要するに「情報化時代」のことだ

人間が存在する場所としての情報空間の存在感が増し、物質空間の存在感が減る。情報空間と物質空間の、それぞれにおける服飾の在り方も変わる。だから情報空間における「スタイル」が自己表現においてますます重要になる。「人は中身が9割」の時代とは、要す…

デザイン・ファームが事業会社に提供できる価値の中核

〔ここでの「デザイン・ファーム」が指す対象は、ある程度狭いことをお断りしておく。ではどういうファームを指しているのかは、まあ普通に読めば分かるはずです〕 『戦略コンサルティングの次にやってくる「頭脳」は?』という記事では、「frog designのエ…

スタートアップにデザイナーがコミットする時代になってきた

「ネットプライスがVCではなく事業会社の立場からベンチャー育成」という記事を見て「ふーん」と思ってたけど、このビールに合いそうなBeenosっていう名前のプロジェクトには山本郁也さんがジョインしてるのかー。これは気になる。「一番優秀な起業家に選ば…

ウェブ業界人よ「開発者ですか?」「いいえ、デザイナーです」というやりとりをやめてくれないか?

「開発者ですか?」「いいえ、デザイナーです」っていうやり取りするのをやめてもらえませんか? デザイナーも開発者でしょ? 裏返せば「開発者」と「エンジニア」を同義語扱いするのがおかしい。 UIデザイナーなら「はい、開発者です。おもにUIデザインをし…

無限の情報と有限の記録

ぼくの情報観を書き留めておく。 情報が存在するのに人間は必要ない。情報は人間とは無関係に存在している。生命が生まれる前から宇宙に情報は存在したのだから。 何かの情報がある。それが記録される。記録には媒体と表現形式がある。記録媒体に書き込まれ…

ウェブ・デザインの必須要件はアクセシビリティだ

ウェブ・デザインにおけるテキスト・コンテンツの重要性と、神田昌典的なダイレクト・マーケティングやコピー・ライティング』の視点を変えてみれば、アクセシビリティ(accessibility)こそ重要だということでもある。 このブログもMarkdownで書いて、シンプ…

ウェブ・デザインにおけるテキスト・コンテンツの重要性と、神田昌典的なダイレクト・マーケティングやコピー・ライティング

Words (This is a web page)(その日本語訳)がシェアされている。ウェブ・デザインの装飾よりも大事なのはコンテンツだ。コンテンツとは特に文章のことだ。そのことを思い起こさせてくれる良い記事だ。 著者のJustin Jacksonは、こう追記している: This po…

ソフトウェア開発とドメイン駆動設計と概念操作と分析哲学と

「妄言」と思われそうなことですが、書き散らしてみます: 言葉の意味は文脈により変わる。エンジニアのなかには、これを「忘れた」人がいる。知らないのではない。生得的な言語能力を工学教育で矯正・忘却。典型例は、あらゆる場面で、ISO/JIS等の定義通りの…

第1回SEMATカーネル勉強会で考えた状態指向とプロセス指向のギャップ

第1回SEMATカーネル勉強会に参加しました。 SEMATカーネルとは、SEMATというプロジェクトの核(kernel) SEMATとは、ソフトウェア工学(software engineering)を「再建」しようとする試み 詳細は省略しますので、平鍋氏の『SEMAT.org にて「ソフトウェア工学再…

情報的アフォーダンス

『アフォーダンスからシグニファイアへ - A Successful Failure』で解説されているように、ドナルド・ノーマン(Donald Norman)が『誰のためのデザイン?』に著した「アフォーダンス」(affordance)理解には問題があり、批判された。その批判を受けて、ノーマ…

ITアーキテクトとインフォメーション・アーキテクト

今日はITアーキテクトのイベント「第1回SEMATカーネル勉強会」に参加してきました。 で、「インフォメーション・アーキテクト兼ITアーキテクト」のぼくとしては、この両者をつなぎたいといつも思っておりまして、今日は「インフォメーション・アーキテクト」…

「HCD/UXに理解のある顧客(施主)」だけ相手に仕事をするのはラクかもしれないが

HCD/UX関連の専門家、なかでもarchitectと名乗る人(例えば情報建築家 information architect)は、自分と同じような前提条件を共有する相手(つまりHCD/UXコミュニティ界隈の相手)とだけ話が通じるようではいけない。 あらゆる相手にあわせて融通無碍に言…