石橋秀仁(zerobase)書き散らす

まじめなブログは別にあります→ja.ishibashihideto.net

「待ってあげる」寛容さが都市の「おもてなし」につながる (Take-Your-Time City)

「もてなす」ことができる都市とは? その要件の一つとして「待つことができる都市」をあげておきたい。

高齢者、認知症の人、外国人観光客、各種の障害を持つ人、子連れの親などといった人々は、何かするのに時間がかかったりする。公共空間でも。

「さっさとしろ」「後ろが並んで待ってるんだぞ」などと言わずに、「あわてずに、ゆっくりどうぞ (take your time)」と言える都市でありたいですね。

米国にて「Wi-Fiでデジタル・デバイドを解消しよう」という請願署名

貧困層の家庭にはインターネット・アクセスがない。デジタル・デバイドは階級格差につながる。だから学校のWi-Fiが重要な役割を果たしている。

Former FCC Chairmanは言った。「公衆Wi-Fiの推進は産業にとって有益なだけでなく、高速で安価なインターネット・アクセスの提供によってデジタル・デバイドを解消する」 *1

Former FCC Chairman Julius Genachowski spearheaded the public WiFi effort on the grounds that it could lead to whole new industries of products and services, but the idea would also serve the agency’s mission to reduce the digital divide by expanding the availability of high-speed Internet access and reducing its cost.

そこで、オバマ大統領、連邦議会およびFCCに対する請願の署名が行われている。 *2

GIGAZINEの「やぁ、ビル・ゲイツだけど何か質問ある?」という記事は完全にダメだと思う

09:スティーブ・ジョブズアシュトン・カッチャーが演じました。ビル・ゲイツは誰に演じてもらいたいですか?
サミュエル・L・ジャクソン

というやりとりを見て、「黒人俳優の名前をあげるなんて、ビル・ゲイツさんはシャレがきついなあ」と面白がっていたのだが、原文で裏を取ろうとしたら、GIGAZINEに騙されていたことが分かった。

誤訳というかなんというか

DepartmentOfWorks: Steve Jobs had Ashton Kutcher. Who do you want to portray you in a biopic?

captain_crabs: Samuel L Jackson.

thisisbillgates: Melinda would probably watch that version.

まとめ

あらためて

09:スティーブ・ジョブズアシュトン・カッチャーが演じました。ビル・ゲイツは誰に演じてもらいたいですか?
サミュエル・L・ジャクソン

という「翻訳」を見てみると、これはひどいビル・ゲイツという人の印象がぜんぜん違うものになる。

ぼくはこの記事のこの部分についてしか裏を取っていない。しかし、それでもGIGAZINEの編集姿勢に疑問を抱かせるには十分だった。

※当初は本人認証も怪しいと思っていたのだが、そこはおそらく間違いないようだ。YouTubeThanks for a great AMA, Reddit! by thegatesnotes という動画で ‘thisisbillgates’ がビル・ゲイツ本人であることは証明されていると思う。'thegatesnotes' というYouTubeアカウントがビル・ゲイツ本人のものであるならば。

メディア批判を誰がするのか

基礎自治体のウェブサイトは全画面のヘッダに都道府県名を明記すべき

全国の基礎自治体ウェブサイトよ、とりあえずヘッダ(グローバルナビゲーション)に都道府県名を入れてくれ。市区町村名だけ言われても、日本のどの辺にあるのかノーアイデアなんだぜ。「何県だよ」って思うんだぜ。

例えば

  1. 京田辺市ホームページ は、ぱっと見、都道府県がわからない。
  2. 市のプロフィール へのナビゲーションが目に入ったので、クリックしたけど、この画面でも分からない。
  3. 市の概要 でも分からない…
  4. さらに同じ名前の 市の概要 をクリックし、ファーストビューでは分からないが、スクロールしていくと「京都府」と書いてあった…

って、いや、ふつうにヘッダに書くべきでしょ。まじで。

すぐやって。今やって。お願いします。

追記:市政ご意見箱に投書しました。ちゃんとした丁寧な文章で(笑)

たいていのユーザーはそこまで忍耐強くありません。たまたまウェブサイトを訪れたユーザーがいたとしても、「京田辺市って日本のなかで、どのあたりにあるんだろう?」ということが数秒でわからなければ、「まあいいや」という気持ちになってページを閉じるものです。

これは京田辺市にとっては、例えば観光客の獲得機会損失などになっていると思います。

将棋というゲームが解決された日

将棋というゲームが解決された日


この世界は計算機の中にある。人類は肉体を捨てた。


計算機の中で、加速された時間の中で、人類は永遠の時間を生きる。


人類の住む計算機は、亜高速で銀河系外のフロンティアへ向かう。


この計算機の中の世界は完全であり、宇宙の終わりまでは、永遠に続くだろう。


かつての人類と違い、我々には「連続な時間」という概念がない。


我々にあるのは「クロック」「ステップ」「シーケンス」だ。それは停止でき、再開でき、繰り返すことのできる順列である。


それゆえ時間は、ほぼ無限に加速できるようになった。


ほぼ無限ともいえる時間の中で、人類はあらゆる可能性を総当りに試行する。


今日は「将棋」というゲームの結論が出た。後手必勝である。「最善手」という言葉も意味を失った。将棋をプレイする意味はない。もはや三目並べと同等である。かつて人類がそれに熱狂したという考古学的な価値だけが残る。


人生も、ゲーム木の探索と同じである。何度でも好きなところからやり直せる人生のゲームで、誰もが「自分の一番いい人生」を探索している。


時間は無限にある。


計算機の外では星の一生にあたるほどの時間をかけて、人々は平均すると5歳まで成長する。10の100乗の100乗ほどの試行の結果として、「その人の、それ以上はありえない5歳」になる。


試行の大半は20歳までに打ち切られるが、一割ほどは死亡まで至る。そのようにして、あらゆる可能性が模索される。その結果として「自分の一番いい人生」が発見されていく。


人類は、何度も繰り返す人生と、それを統一的視座から観測し続けるメタ人生を持つ。メタ人生に飽きた人は自死を選ぶ。誰も悲しまないし、誰も弔わない。この世界の生には等しく価値がない。


時間は無限にあり、人生は尊くない。


メディア批判を誰がするのか

報道の検証という形のジャーナリズム、いわば「メディアについてのジャーナリズム」「ジャーナリズムについてのジャーナリズム」がもっと盛んになって欲しいなあ。ビデオニュース・ドットコム(神保氏)はやってると思うのだけど、全体的にはマイナー。いまならデータジャーナリズム的手法も使えそうだし、やろうと思えば、やりやすくなってきてるはず。

個人的に関心があるイシューの例:

  • ダボスにおける安部首相スピーチの誤訳と、その海外での報道過程
  • 麻生大臣「ナチに学べ」発言の海外での報道過程
  • 冤罪事件に関する報道と、冤罪確定後の謝罪等の対応

ちなみに自分で海外報道機関に取材を試みたこともあるけど、回答を得られなかった。ジャーナリズムにおいて「素人」はなかなか相手にされないですね。だから「プロ」に頑張って欲しいのですが。

大手メディアが互いに斬り合えばいいと思うんですけど、「記者クラブ」だからなあ。

メディア批判を誰がするのか。

ぼくは大手メディアに頼らずとも人々がメディア批判できる環境を作りたい。

「ウェブ」と「オープンソース」の理念が、報道の情報伝播過程を透明にする(報道トレーサビリティ)

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