石橋秀仁(zerobase)書き散らす

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『真性引き篭もり』という叙事詩

hankakueisuuというブロガーは、まるで現代のホメーロスだ。

その作品は、事実の報告ではない。情動の残滓である。

心に響いた二つの詩編を紹介する:

はてなブックマークはなぜ改悪されたのか。 - 真性引き篭もり(2013年1月22日)

ペイジ、ブリン、シュミットの三頭政治よりも少し前。人々から自由と未来を奪い取る事を目論んだカエサルという男が暗殺された。(...)

その日、東軍を率いていたのが老いた歴戦のカシウスではなく、あの薄汚れた山小屋の一夜の伊藤直也であったならば、彼は自刃することなく、僅か一晩ではてなブックマークを作り上げる事によりカエサルに対抗し、その軍勢を撃ち破り、そして勝利し、ローマの、いや世界の王となったであろう。(...)

それでもあの日、伊藤直也は本当に、人々を愛してたのだ。それでもあの日、伊藤直也は本当に、あなた方を愛していたのだ。伊藤直也はこの国でただ1人、いやこの世界で、宇宙でただ1人、あなた方を愛し、あなたを愛し、あなたを救おうとしたのだ。あなたに希望をもたらそうとし、その為だけに自らの安泰の生活を投げ出し、山に籠もり、一睡もせずに、はてなブックマークを作り上げたのだ。今日と明日の伊藤直也がたとえどのように汚れた醜い存在であったとしても、それでもあの日、伊藤直也は本当に希望の化身であり、夢の権化であり、この腐敗した世界に産み落とされた、たった一つの唯一の、具現化した愛だったんだ。

ソーシャル死ね。ソーシャルゲーム死ね。ゲームを返せ。ゲームから出てけ。 - 真性引き篭もり(2012年3月23日)

僕等にとってビデオゲームは何よりも神聖なものだった。それは、ビデオゲームという名の聖域だった。人間という邪悪な生き物に出会うことなく、人生を楽しめる唯一の場所だった。(...)

ビデオゲームとインターネットの完全な出会いは「人間の抹消」とでも呼ぶべき事態を引き起こした。そしてそれこそが、真のゲーマーである僕達が、心の底から望み続けてきたものだった。(...)

人と人との絆が、人間と人間の繋がりが、全てのインターネットを埋め尽くした。世界は人で溢れ、それ以上に人と人との繋がりで溢れた。目には見えない無数の鎖が、ソーシャルによって可視化され、僕等の行く手を遮った。それどころか、僕等の首を締め付けた。ここは地獄だ。インターネットは地獄だ。人間しか居ない。人間しか居ない。