『完全成果主義(ROWE)で新卒採用は可能か?』のシミュレーション解説
完全成果主義(ROWE)で新卒採用は可能か?のシミュレーション解説です。
まずは言葉の定義です。といっても一般的な会計用語ですが。「単月黒字」とは、月次の数字を見たときに、自分の給料を自分で稼いでいる状態です。「累損解消」とは、入社以来の累積損失を返上した状態です。
単純化したシナリオでは、単月黒字達成時点での累損額が最大値です。単純化したシナリオとは、月次利益グラフが下に凸で変曲点が無い放物線になることを意味しています。
このような単純なモデルで、累積損失額を計算するのは簡単です。
月給20万円で、赤字が毎月33万円から始まり、毎月3万円ずつ赤字幅が減るとしましょう。11ヶ月目に単月黒字を達成します。その時点で累積損失額はピークの198万円になります。自分の給料分を稼げるようになるまでの間に、会社に198万円の「借金」を作ったことになります。
モデルと現実の違いにも言及しておきます。実際には、月次利益は、ある変曲点から「加速度」を減じ、緩やかに収束していくのがふつうです。たとえば月次の1人あたり付加価値は100万円くらいに落ち着くものでしょう。ふつうは500万円になったりしません。
また、いちど稼げるようになった(単月黒字を達成した)人が、ふたたび恒常的な「赤字続き」に転落する可能性もあります。
それらを捨象した単純なモデルによるシミュレーションです。