石橋秀仁(zerobase)書き散らす

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放浪息子、あおきえい

『放浪息子』原作漫画(単行本5巻完結)を読んだ。

誰でも思春期には揺れるものだけど、性別違和感という揺れも重ねて描かれた。終幕が素晴らしかったですね。

アニメ『放浪息子』も良かった。

あおきえい監督の画面は好きです。SF/ファンタジーを美麗かつ精細に描く『空の境界』『Fate/Zero』と、水彩画を動画にしたような『放浪息子』。まるで作風が違う映像を同じ監督が手がけているというのが面白い。

原作つきでアニメにするときに、原作に対してのスタンスをどう取るのかということでいつも悩むんです。原作ファンからすれば“まんま観たい”っていう気持ちがあると思うんですよ。あの単行本のあのセリフ、あのコマが観たいんだよ、という。僕自身も『放浪』が好きで「やりたい!」って言った人間なので、「再現したい」という気持ちは当然あって。ただ、“再現する”というのは、あくまで再現じゃないですか。同じコマですよ、っていう主張をするだけで、それが“表現”かと言われたら違うよね、という個人的な違和感はいつもあります。かといって、滅多やたらに原作とまったく違うものにする意志もないんですけれども。ただ、再現するということが純粋にファンサービスになっちゃっていて、いわゆる二次創作みたいなアニメーションになっちゃうのが、アニメの作り手としてちょっとマズいんじゃないか、といつも思っているんです。

『放浪息子』Blu-ray&DVDがいよいよ発売! あおき監督に単独インタビュー - ファミ通.com